不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界 - 読了
所謂『世界シリーズ』の第四弾な本書。
主人公の串中弔士(くしなか ちょうし)は本書の凡そ1年前に出版された世界シリーズ第二弾『不気味で素朴な囲われた世界』の主人公でもあり、実質その続編となっています。
本格ミステリの定義というのがよくわからないけれど、大筋は「謎の提示」->「解決」といった、およそ普通の人が考えるミステリーと考えてよさそうです。
ところが、本書(というより本シリーズ)はこの定義に当てはめて考えるとどうもしっくりこない。
なぜなら、読者には謎解きに必要な情報は提示されず、「そんな設定しらないYO!」と突っ込まないではいられない解決が待っていたりするし。個人的に感じたのはミステリの体裁をとったエンタテイメントだな、と。
これは西尾維新さんの作品全般に関して言えそうな気がするけれど(全部は読んでないのでそこまで言っていいのか?)、少なくともこのシリーズに言えることは、
- 言葉の使い方、言葉遊び的な要素が楽しく、テキストは面白い(でも化物語等に比べると劣る)
- 一方で、シナリオはイマイチと言わざるを得ない
だから俺としては趣味に走った「化物語」や「偽物語」などのシリーズのほうがシナリオ無視でひたすら趣味路線で面白い、是非こっち路線メインでやってくれ、といった感じ。
と、素人ながらに勝手なことを言ったが、だからと言って総合的にみると本書は面白いと思う。言葉遊び的な意味で。
『表紙見て絵買いしたんじゃね?』と言われれば、「うぐぅ」と言うしかないけれども(ぇ
『表紙見てツルペタ買いしたんじゃね?』と言われれば、「ひんぬーは希少価値」と言うしかないけれども。
以下、ネタバレが含まれます。
あと本書にてやっと気付いたが、黒猫さんたちの一族の瞳が十字だった件。
あと本書の節『だいよん問』に出てくる弔士の妻なんだが、これって『不気味で素朴な囲われた世界』に出て来た童野黒理(どうの くろり)先輩だった件、恐らく。
p137にこうあるので。
彼女が本当のことなんて言うわけがありませんでした
“嘘つき村の住人”ですね、わかります。
まあ、戯れ言だけどね。
最後に一言。表紙の病院坂迷路さんについて。
こんな可愛いコが女の娘なわけないじゃないか!!
これも戯れ言ですm(_ _)m
学園ミリテリーではなく
こういうのも好きだなあ
最近つまらなくなってきたねぇ
次回作に期待